投資の行動心理学 (単行本) ジェイク バーンスタイン (著), Jake Bernstein (原著), 青木 俊郎 (翻訳)
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さまざまな投資方法を試しても思ったような成果が上がらないと悩んでいる人は多い。早すぎる利食い、損切りができないで大損、周囲の雑音に惑わされて失敗といった状況を、著者は行動心理学上の問題行動とみる。パブロフの犬の事例解説を読み、診断テストを解き進めていくうちに、使う人間がノイズを入れてしまうことが問題と納得できる。
また、身近なところに悪習があると著者は指摘する。行き当たりばったりでいろいろな方法を試し、時々ランダムに勝つ。これがいかに悪い結果をもたらすか、このランダムな強化の弊害を知らずして投資の勝者にはなれない。損失を飲み食いで憂さ晴らししたり、人に話して慰めを受けることも多いはず。これが自分に間違った報酬を与えてしまっているという指摘も、言われて初めて気がつく。また、行動を起こさないことに対する言い訳と、その結末としての失敗が列挙され、自己の感情との闘いの重要性が理解できる。
第III部の投資家度チェックと、その後に示されるロスカット、スケジュールの作成、ポジティブな生活様式といった具体的な改善方法は極めて実践的な内容となっていて、ここだけ読んでもすぐに役立つ。
本書はトレード手法そのものの解説ではないが、どんな手法を使う際にも、この行動心理学を投資に生かすアプローチは学んでおきたい。また、マーケットの問題は別の問題の兆候という指摘をはじめとして、実生活に役立つ心理学の知識が身につくこともうれしい。(河野幸吾)
内容(「BOOK」データベースより)
なぜ相場で負けてしまうのか。勝つ投資心理に鍛え直す。投資家の心理を解き明かした究極の本。
内容(「MARC」データベースより)
売りか買いか。理詰めでいっても結局はそのときの心理が決断を左右しかねない。心理と価格の関係の理論的研究をベースに、経験豊富な現役投資家である著者が重要原則を平易に指南する。
訳者 青木 俊郎, 2003/08/28
「あなた自身が損を欲しているのかもしれない」
あなたは儲けたいから相場をするのですか。それとも・・・ これは相場の方法論や小手先のテクニックではない、トレードの”実践書”である!
家族や友人、ブローカーとの関係はどうあるべきか、ニュースや他人の助言を取り込んで運用するとどういうことが起こるのか、なぜロスカットができないのか、逆にいつも利食いが早過ぎるのはなぜか、なぜトレンドに乗るのは難しいのか。こうした投資家行動の問題点を洗い出し、行動の背景に潜む投資家心理を明らかにしている。さらに、その修正の方法まで具体的に提示している点が特徴的だ。この本は相場初心者はもちろん、自らトレードを経験した結果、”相場必勝法”や”確実な情報”など存在しないことを悟ったすべての投資家にとって必読の書といえる。
この本は特に次のような投資家に読んでいただきたい。
1.今日の相場の動いた理由が気になる人
2.ロスカットができない人
3.逆に利食いが早過ぎる人
4.週末の決まった時間に、自分のトレードをチェックする習慣のない人
5.トレンドに乗るのが苦手な人
6.過去5年間累計で損している人
7.ブローカーを頻繁に変える人
8.負けた後、酒を飲むクセがある人。家庭や知人とトラブルを起こしたことがある人
9.たいていロング(買い)しかしない人
10.自分は相場の天才だと信じている人
11.逆に、ポジションを持つと不安になる人
12.自分だけのトレードシステムを持っていない人
13.投資家の行動心理を理解し、明日の相場に生かしたい人
14.トレードをするのが好きな人
目次
第1部 自己発見への道(私のトレーダーとしての第一歩
数多くのマーケット―数多くの類似性)
第2部 行動心理学への誘い(「なぜ」対「いかに」フロイト理論―
子供時代の経験は行動に影響を及ぼすか ほか)
第3部 あなたの投資家指数は?(チェックリスト―投資家指数の測定
トレード改善法(ロスカット
早過ぎる利益確定) ほか)
第4部 心理学のマーケットへの適用(永遠に弱気な人と罰せられたい人
一〇のトレード規則 ほか)
第5部 明日への挑戦(恐怖に打ち勝つこと
―心理学が成功への早道であるわけ
なぜ多くのトレーダーが損失を被るのか ほか)
カスタマーレビュー
※★★★★★ 相場心理を分析・修正する一助となる, 2006/12/12
成功する投資家像 失敗する投資家像が分かる。 各章のまとめがうまい。一文一文に意味がある。 学習の過程、間違った学習の存在、幼児時代の体験が与える影響、投資家のニーズ。 自己における様々な心理要因を分析し修正しうる。 私も、これを読み、トレードに置ける違和感を真正面から認識できるようになった。 投資哲学の構築にも寄与するだろう。
カスタマーレビュー
※★★★☆☆ 投資の心理面, 2006/3/1
投資行動における精神面の重要性を述べ、問題点の対処例を示したもの。
投資家にとって最も大切なのは、システムではなく、投資家自身であり一貫性をもった論理的な行動が必要である。自らの潜在的な心理は幼い頃についたもので、無意識であるため明確には認識しがたいが、実際には表面上の行動として現れている。望ましいとされる行動には報酬を、そうでない行動には罰を与えることで、内面から変化して望ましい精神状態にもっていく心理学的手法が紹介されている。英語と同様に名詞中心の翻訳になっているので多少の読みにくさはあるが、システムで投資を行う投資家にとっては有用であると思う。今ではPCに構築したシステムを取り入れ、完全に機械的に投資を行う人がいる。そのような人のだとこの書に書いてある事は、投資の利益にはならないが生活の益にはなると思う。リスクを負わない投資活動は有り得ないし、最悪の事態も想定しておく事が健全な投資活動、さらには健全な人間生活を行うのに大切であるということを改めて知らされる本である。。
カスタマーレビュー
※★★★★☆ 投資で損失を出している方は一度は読むべきかと, 2006/2/10
投資で損失を出している方は一度は読むべき本であるかと思います。 損失の回避を行動ファイナンスやファンダメンタル分析やテクニカル分析といった外部に求めるのではなくて、自分の心持ち、あるいは行動に求めているのが本書です。 私自身、資産の70%近くが溶けてしまったこともありました。が、今は完全にプラスになり、50%近くの含み益も出来ました。 技術的にはあっているはずなのに・・・・と思っている方、ご覧頂ければと思います。ただ、前半が退屈だったため、星4つとしました。
カスタマーレビュー
※★★★★☆ 投資に限らず、目標達成には必要不可欠な観点, 2005/7/25
一般に投資というと、まず儲かる銘柄選びの方法に目が行く。もう少し視野を広げると、建玉操作や資金管理に目が行く。だが、それらは全て自分の心という大きな土台の上の問題に過ぎず、本当に大事なのはその土台、己の心の管理であることをこの本は示してくれる。具体的な投資法には一切触れていない為、投資に対してどのような実益があるのか、すぐにはわからないかもしれない。だが投資活動を長い目で見れば、この本の示唆している事はとても重要だと思う。自分では自覚しにくい兆候、それらを改善する具体的方策が述べられている。個人的には、この「自覚しにくい部分」を自覚できた事が大きかった。
内容には冗長な部分もあるし、また必ずしも十分な内容だとも思わない。単なる知識としてではなく本当の意味で理解するには、時間も必要だろう。だが、以上の重要な観点を与えられたので、★4つとした。
カスタマーレビュー
※★★☆☆☆ 前置きが長すぎる, 2005/6/3
核心に触れるまでの道のりが長過ぎます。投資苑を先に読んだ後にこの本はツライです。
カスタマーレビュー
※★★★☆☆ 心理学の入門書, 2004/3/3
この本は投資の本ではなく、心理学開業カウンセラーから、トレーダーに転職した方が書いた「心理学の入門書」です。また、専門用語になってしまいますが、行動心理学専門に書かれた本ではありません。
本書のなかでも詳しく解説されていますが、心理学は大きくわけてフロイト伝統心理学派とスキナー行動心理学派に別れます。フロイト伝統心理学はフロイト、ユングなどによって確立されたいわゆる精神分析学的心理学で、幼少期の体験を極めて重視します。米国の精神科開業医及び心理学開業カウンセラーの9割はこの手法をとります。理由は、クライアントを得やすいからです。想像するに著者もこの学派の手法で開業していたのではないかとおもわれます。一方、スキナー行動心理学とは日本ではロシアのパブロフ博士が有名ですので、パブロフ条件反射行動心理学といった方がわかりやすいかもしれません。もちろん、米国ではパブロフ行動心理学派という人はいませんが。内容は条件反射、強化などを主体とした心理学です。著者はさすが大学で心理学を専攻しただけあって、かなり詳しく書いてあります。また、フロイト学派、スキナー学派両方について書いてあります。行動心理学の部分は条件反射の動物実験について詳細に記載してあります。原題の「THE INVESTOR'S QUOTIENT」は本書内に記載されている、投資家向け心理テストのことで、よくあるYES/NOで返答し、YESが1点、NOが0点(もしくはその逆)の点数が与えられ、21点~28点は○○である、というタイプのアンケートテストです。題名は「心理学専攻投資家がかいた心理学の入門書」が良かったのではないでしょうか。心理学に興味のある人にはとても良い本です!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
バーンスタイン,ジェイク
アメリカのMBHコモディティ・アドバイザー社代表で、『MBHウィークリー・コモディティ・トレーディング・レター』発行者。現役のトレーダーであり、テクニカルアナリストとしても人気がある。『MBHウィークリー・コモディティ・トレーディング・レター』は、コモディティ関連のトレンドやマーケット事情の把握・解析のために、アメリカの内外を問わず主要投資家に必読とされているニュースレター。講演会講師、専門誌への寄稿も実績多数
青木 俊郎
信州大学理学部物理学科卒業。山一証券、都銀系証券会社などを経たのち、スタットアーブ社(投資顧問登録申請中)を設立。現在、同社チーフ・テクニカルアナリスト兼取締役社長。オリジナルのテクニカル分析やヘッジファンド的運用手法(スタティスティカルアービトラージなど)の開発を行っている。日本証券アナリスト協会検定会員、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会CFP マルR認定者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
商品の詳細
単行本: 341ページ
出版社: 東洋経済新報社 (2003/08)
ISBN-10: 4492731644
ISBN-13: 978-4492731642
商品の寸法: 19 x 13.4 x 3 cm
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