天才数学者、株にハマる 数字オンチのための投資の考え方 (単行本) ジョン・アレン・パウロス (著, 翻訳), 望月 衛 (著), 林 康史 (著)
From Publishers Weekly
数学者は我々一般人よりも賢く、数字をいじり回すことで難解な宇宙の謎すら解くことができると思われがちだ。悲しいかな、必ずしもそうではないことをパウロス(数学音痴)は本書で示してくれる。株式市場という野放しのジャングルに秩序と科学をもたらそうとする奮闘をおもしろおかしく描いた本書の著者であるパウロス自身、実はかつて、かのワールドコム株に多額の投資をしていたことがある。
パウロスは、売るべき十分な理由があったのに、急落していく株に必死にしがみつき、数学の知識がウォール街のノウハウと必ずしも一致しないことを身をもって証明した。市場を予測するいろいろな数学的手法があるが、なぜ人々はそれらにすがろうとするのだろうか? エリオット波動といわれる非常に高邁な数学的波動・周期に基づいて株価が動くと信じる人々の鈍さに著者は驚きを隠さない。
株式市場は非常に効率的であって、会社に関するすべての情報は株価に織り込まれていると考える効率的市場仮説を手ひどくからかうために、パウロスはこんな冗談を披露している。「切れた電球を取り替えるのに効率的市場仮説を信じる学者が何人必要か?」答え:「0」。もし電球を取り替える必要があるのなら、市場がすでに取り替えているはずだから。楽しくて示唆に富んだ内容の本書はユーモアのセンスがある投資家にとってうってつけであろう。Copyright 2003 Reed Business Information, Inc. --このテキストは、 ハードカバー 版に関連付けられています。
出版社/著者からの内容紹介
合理的なはずの数学者は、なぜ株バブルにハマったのか? 人間心理と市場の面白不思議な関係に着目した、実践的投資理論入門!
内容(「BOOK」データベースより)
アメリカの人気数学者が、株式投資で大失敗。その体験に基づいて、あらゆる投資理論を実にわかりやすく解説。他に類のない投資理論の超入門書。
内容(「MARC」データベースより)
市場は本当に効率的なのか? 株価はランダムに変動しているか? テクニカル分析やファンダメンタル分析には意義があるのか? 米国の人気数学者が株式投資で大失敗した経験に基づき、あらゆる投資理論をわかりやすく解説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) パウロス,ジョン・アレン
数学者。テンプル大学教授。ABCNews.comのレギュラー・コラムニストであり、数学のニュースや日常生活との関わりについて全国紙への寄稿も多い。2003年には米国科学振興協会(AAAS)より科学・技術普及功労賞を贈られた
望月 衛
京都大学経済学部卒業。コロンビア大学ビジネススクール修了。大和証券を経て、現在、大和投資信託審査部でデリバティブ等の評価・分析に従事。CFA、CIIA
林 康史
一橋大学大学院国際企業戦略研究科非常勤講師。大阪大学法学部卒業。大和投資信託等で外国為替取引、経済・市場分析等に従事。東京大学修士。現在、一橋大学大学院法学研究科博士課程
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
目次
第1章 何が市場で「正しい」のか?―他人の予想を予想
第2章 投資家の行動は合理的か?―恐れと欲がもたらす錯覚
第3章 テクニカル分析は役に立つか?―トレンド、群衆行動、波動
第4章 市場はどこまで効率的か?―偶然と効率的市場
第5章 ファンダメンタル分析は役に立つか?―バリュー投資と金利の考え方
第6章 リスクといかにつき合うか?―オプション、リスク、ボラティリティ
第7章 分散投資は有効か?―ポートフォリオの組み方
第8章 株価変動はカオスか?―ネットワーク、カオス、フラクタル
第9章 投資理論はパラドックス?―市場を超越できない投資家
カスタマーレビュー
※★★★★★ WCOM体験はまさにギャンブラー心理, 2005/11/20
面白かったが、(最大限分かりやすく書いているとはいえ)数学部分はそれなりに難しい。導入の「夫殺しの村」の帰納法がいきなりハイレベルだったりする。そこをクリアできれば、「頭を使って読む」快感は十分。 読後、「結局株はギャンブルなのか?」と思わされてしまった。(「平均」はプラスになるのはわかったけれど) 難点はやたらと多い訳注。無用の「豆知識」披露で、本文のリズムが崩れてしまう箇所が多々あり。
カスタマーレビュー
※★★★★☆ ma横浜さんの補足, 2005/11/4
例えば1024人の投資家に対して無料の「極秘情報メール」を送ります。半分の512人には「明日トヨタ株が上がりますよ」と。残りの半分の人には「下がりますよ」という具合に。実際にトヨタ株が上がった場合には、上がるとメールした512人のうち256人に対して、「明日日産株が下がります」、残りには「上がります」と送ります。そして日産株が上がったときは後者の256人の半分に対して‥‥。これを繰り返すと最後の1人に対しては連続して10回、株価予測があたったメールが届いたことになります。そして、ここから先は有料情報ですといって、勧誘します。これが株式情報のからくりです。本書は株にまつわる話を数学的なスパイスを利かせて読ませる好書だと思います。でも、投資に役立つかどうかはちょっと疑問です。
カスタマーレビュー
※★★★☆☆ 変り種。レイアウトや校正がしっかりしていれば良書。, 2005/5/31
入門書でもハウツー本でも精神論でも専門書でもない。変り種の株の本です。「天才数学者、株にハマる」よりも「パズル作家、株にハマる」の方がこの本の内容をよく表していると思います。株価に関する様々な概念が単純(極端)な例や寓話を用いて説明されており、この説明と著者の自虐ネタがこの本を際立たせています。数学が苦手な人にとっては目から鱗が落ちる話が多いでしょう。なげやりな書き方のところも多々あるけど、総じてなかなか面白い。ただし、本のレイアウトや校正は洒落にならないほど劣悪です。フォントや文字サイズをきちんと使い分けていないこと、横向きと縦向きが混ざった数式などなど。これらの問題がなければ良書。
カスタマーレビュー
※★★★☆☆ 平均の意味, 2005/4/9
株で大損こいた数学者が、そのことを自虐的ギャグとしてちりばめながら、数学的な面を中心として株式投資の様々な側面について解説した内容。いろいろな例え話などを用いて説明されているが、それでも数式が出てくると(そんなに難しいものは含まれていないと思うのだれれど)もうアレルギー反応が出て、わけわかめ~になってしまう自分が情けない。 全般的な内容は、既にどこかで読んでいたり知っていたりする内容、結論のものが多かったが、まともであり、初めてこうした内容にふれる人にとっては新鮮に感じられることも多いだろう。個人的にうなづけたのは「平均」にだまされるなということ。考え方なり、計算方法によって、この「平均」の数字のあり方は大きく変わる。あらためて、このことを認識した。なかなか楽しく読める本だと思う。
カスタマーレビュー
※★★★☆☆ 投資法でも数学でもない, 2005/3/23
恐縮ですが、そんなに役に立ったとは感じませんでした。結局のところ良い投資法は存在しないというところに帰着するようです。図表がなく、数式も縦書きでレイアウトしてあるため読み辛かったです。
カスタマーレビュー
※★★★★★ とにかく面白い, 2005/3/9
とにかく面白いのひとこと。内容は他のレビューを見てもらうとして、関心するのは、わかりやすい説明です。この本のような説明で数学教育を受けていたら、きっと数学好きになっていたはず!隠れた主役は、これは翻訳本だということです。(原本は読んでませんが)原本の面白さ、わかりやすさがそのまま訳されていると思います。
商品の詳細
単行本: 264ページ
出版社: ダイヤモンド社 (2004/1/29)
ISBN-10: 4478630879
ISBN-13: 978-4478630877
商品の寸法: 19 x 12.6 x 2.4 cm
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