投資銀行―日本に大変化が起こる (単行本) 岩崎 日出俊 (著)
出版社/著者からの内容紹介
世界中の企業買収をしかけるプロ組織<投資銀行>。年収1億円超。最高レベルの金融・市場の知識。そして日本の銀行とは全く異質な存在感……。J.P.モルガン、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズでM&Aの最前線に関与してきた著者が、「経済新聞が報じない、その仕事」を描き切った話題騒然の書。
世界をゆり動かす巨大なM&Aには、必ず投資銀行が関係している。明かされることのなかった「企業買収・再編の舞台裏」「投資銀行の仕事術」「企業の真の株価を見抜く方法」「投資銀行で活躍している人々、彼らが欲しがる人材」等々を活写し、さらに世界の先端から見えてきた日本の銀行と企業の「致命的な甘さ」を本書は浮き彫りにする。
内容(「BOOK」データベースより)
年収、1億円以上。経済新聞が報じなかった企業買収・再編をしかけるプロ集団のすごい仕事。
内容(「MARC」データベースより)
経済新聞が報じなかった企業買収・再編をしかけるプロ集団「投資銀行」とは、いったい何をしている組織なのか。これまで明かされることのなかったその実体を明らかにし、日本の銀行と企業の「甘さ」についても浮き彫りにする。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)岩崎 日出俊
1953年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。J.P.モルガン証券、メリルリンチ証券、リーマン・ブラザーズ証券でM&Aの最前線に関与してきた。旧日本興業銀行時代に米スタンフォード大に留学。ノーベル経済学賞受賞者のウィリアム・シャープ教授に学び、MBA(経営学修士号)を得た。現在は、インフィニティ(株)代表取締役。1998年J.P.モルガン証券会社マネージング・ダイレクター。2000年メリルリンチ証券会社マネージング・ダイレクター。2001年リーマン・ブラザーズ証券会社マネージング・ダイレクター。2003年インフィニティ株式会社代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
目次
第1章 実は一〇倍になってもよかった日本の株価
第2章 「買収」を演出する投資銀行
第3章 こんな会社が狙われる
第4章 シミュレーションあなたの会社が買収される日
第5章 日本の銀行は投資銀行になれない
第6章 投資銀行家の高い年収の背景にあるもの
第7章 人こそ全て―投資銀行が求める人材とは
第8章 投資銀行の仕事に学ぶ
第9章 投資銀行とどうつきあうか
第10章 KKR上陸で日本が変わる
特別編 投資銀行式「本当の株価」を見抜く方法
カスタマーレビュー
※★★★☆☆ 日本の銀行勤務者にお勧め, 2007/1/28
興銀を経て外資系証券会社を渡り歩いた著者による。 日本の銀行に対する指摘には痛烈なものがある。たとえば、
−日本の銀行には、人にアドバイスする以前の問題として、「企業価値とは何なのか」「どうしたら自分たちの企業価値をあげることができるのか」を真面目に勉強してほしい。 −グローバルな視点も情報も欠けている。 −トップレベルで緊密なコンタクトを持ち、経営相談にのるといった域にまで達していない。−海外の会社と日頃からトップレベルでコンタクトを取っていないことには、まともなM&Aのアドバイザリー・サービスなど提供できるはずもない。 −マーケットの知識、とくにグローバルな投資家の視点が身についていない。
日本のメガバンクも、投資銀行業務に注力すると言って久しいが、著者の語る投資銀行とはだいぶイメージが違うようだ。著者の言う投資銀行は、日本では証券会社。 日本の銀行がそれに近づく必要は必ずしもないと思うが、違いは違いとして認識する為、日本の銀行に勤める人たちや金融希望の人たちには一読の書だと思います。
カスタマーレビュー
※★★★★★ 投資銀行に就職希望の学生にオススメ!, 2006/10/4
著者はきら星の如き有名外資系投資銀行のマネージング・ディレクターを歴任されていただけあって、非常に洗練された頭脳の持ち主であるように感じる。日本国内の金融機関に対してたいへん厳しい姿勢を貫いているが、外資系投資銀行の業務に向かう姿勢、その厳しさを考えれば痛罵されてしまっても文句はいえないのかもしれない
本書では投資銀行が求める人材についてあくまで抽象的ではあるが説得力を持って述べられており見るべきものがあったと感じている。その点からいえば、とくに新卒もしくは第二新卒で投資銀行を就職される学生その他の方たちにぜひオススメしたい! 本書はいわば外資系銀行を肯定的に捉えたものであるので、少しシニカルな視点で外資系投資銀行について知りたい方はマイケル・ルイスの名著”ライアーズ・ポーカー”を一読されたい!
翻って国内の金融機関(とくに都市銀行、証券会社)に就職希望の学生にとっても非常に有益な書であると思う。というのは、いかに現状において日本の金融機関が世界標準から遅れをとっているかが表面的にかもしれないが分かるだろうから、その事実を知っても各人が日本の金融機関の組織変革の一助を担いたいという方が出るならばこの国もまだまだ捨てたものではないのかもしれない
カスタマーレビュー
※★★★★☆ 投資銀行の仕事がよくわかった。, 2006/9/5
投資銀行とはこういう仕事をしているのか‥という事がよくわかった。また、制度や業界システムを熟知した者のアドバイスが対価を得られることも良く分かった。
カスタマーレビュー
※★★★★★ 邦銀が投資銀行になる無理, 2006/8/11
投資銀行は日本の「銀行」とは違い証券会社そのもの。日本の銀行は「投資銀行業務」に経営資源を集中し「手数料収入を増強」する、と、10 年もしくはそれ以上前から念仏のように唱えている。そもそも、商業銀行と投資銀行の違いがわかっているのか? わかっていない人にはこの本を読む価値があると思う。 参考になったのは、プレゼンするなら徹底すること。中途半端に「これはお客様のため」と提案しながら、手数料を物欲しそうにしている姿を見透かされるようでは、看板に泥を塗っているとしか言いようがない。投資銀行を拝金主義というのであれば、自分たちがしていることは何なのかよく胸に手を当てて考えて欲しい。
本書の内容はきわめて初級編ではあるが、投資銀行の誤解・先入観を解くには良書と思う。特に勘違いしている金融機関従業員にはぜひ読んで欲しい。
カスタマーレビュー
※★★★★☆ 一部の超優良事業会社向け?, 2006/8/5
本書は、元外資系の投資銀行(株式や社債等の引受け・販売やM&Aのアドバイザー業務を行う金融機関、日本でいう証券会社)マンが、投資銀行の仕事内容、そして日本の銀行(傘下の証券会社)の仕事の「甘さ」について、語っている。実務家によって書かれた本であることから、証券会社の法人部門に興味がある学生や証券会社にM&Aアドバイザーを依頼する事業会社の担当者にとっては、非常に役立つ本ではないかと思われる。また、「日航の増資」で、問題会社に対し巨額の債権を有する債権者としての利益と投資家のために株式を販売する証券会社としての利益は真っ向から衝突するにも拘わらず、日系の大手銀行傘下の証券会社が引き受け主幹事として引き受けたという事実のとおり、日本の銀行と傘下の証券会社が顧客(その先にいる株主)のことを全く考えていないという指摘も的を得ている。もっとも「時価総額1兆円以外の会社は相手にしない」と記載されているとおり、ほとんどの事業会社は「相手にされない」でしょうし、ディテールの細やかさは日系の大手証券会社にはかなわないような気がするのは私だけでしょうか?本書は鵜呑みにするにはどうかと・・・。
カスタマーレビュー
※★★★★★ へーそうだったのか、投資銀行, 2006/6/26
投資銀行って、投資をする銀行(銀行の本来の業務は、市中からお金を集めて投資してリターンを稼ぎ、利息を払うことだと思っていたから、なんか変な名前だと思っていた)だと思っていたが、この本を読んで 企業が投資(企業再編や企業買収)を行う祭の知的なサポートをする銀行なんだとわかりました。また、ニホンの銀行は、とにかく、くっつけて終わり、というサポートをするけれども、そうではなく、どのように切り離し、どのようにくっつけると、最大の価値が生まれるのかを、企業と共に考え行動していく、というのが、ミッションだとわかりました。
その結果、企業は大きな成長(顧客によりよいサービスを提供し従業員にたくさんお給料を支払い、株主に配当を支払う)を手に入れ、投資銀行は手数料を稼ぐ。 そうするために、投資銀行は、世界中の企業活動に精通し効果的な相手を見つける。そのノウハウこそが、収益の源泉。たんなる拝金主義の金儲けの集団ではないということがわかった。 これからの時代、企業の価値を高めることができない無能な経営者は、客観的な評価を突きつけられるので、覚悟を決めて、企業の価値を高めるべく精進してください。
商品の詳細
単行本: 262ページ
出版社: PHP研究所 (2006/05)
ISBN-10: 4569649734
ISBN-13: 978-4569649733
商品の寸法: 19.2 x 13.8 x 2.4 cm